幸福な死-カミュ-

幸福な死 (1972年)

幸福な死 (1972年)

受験対策云々で読書するより勉強しなければならなくなってきたので、ペース的に半年で50冊、難しくなってきました^^;
でも本を読むのも現代文に多少役立つだろうし、なるべく読んでいこうと思います。
現代文の問題に引用されるような本(てか過去問に出た本とか)を読んでみるのもいいかもですね。。。

ところで、初カミュ読破です。

根拠のないカミュのイメージと、読んでみての印象がものすごく違いました。
かなり雰囲気が独特で、スローペースと言うか。
それでいて、私的には全く苛立ち(いつ佳境に入るんだろうとか、そういう)を感じないでいられたし、むしろ心地の良い領域な感覚。

単調に驚きだったのが、メルソーがザグルーを殺してお金を奪いそのお金で暮らすというのが、カミュが書くとなると「罪」の一文字をあまり感じなかったことです。
作品に引き込まれていたからでしょうが、それがある意味本当に、必然のようなことに感じられてきて、でも危ないとかいう感じではないです。
本当、立派に犯罪だし、思想はともかくやった事自体は間違いなく倫理に反するのに、そう思わせないところがすごかったです(犯罪を肯定する意味ではなく)。

ラストを読んで、死は決して怖いものでなくてもいいんだなと思いました。