河童-芥川龍之介-

河童 (集英社文庫)

河童 (集英社文庫)

これも表題作の「河童」を読む必要があって買った一冊。
高校の課題では著者自身のことも知っておかなくてはならなかったので、年譜などと照らし合わせながら読み、いちいち驚いていました…
最初に河童を読んだので、一番最初の「どうかKappaと発音して下さい」にちょっと笑って、一瞬ユニークだと思った自分没。
この「河童」は、他に
桃太郎
雛
点鬼簿
蜃気楼
歯車

小説以外では
或阿呆の一生
或旧友へ送る書記

が収録されていて、桃太郎と雛はどうだか分かりませんが他の作品は芥川さんの苦しみと自殺と直に関係していると思います。

最初課題に「河童」と書いてあった時、単純にもっと面白そうな作品名のがあるのに、なんで河童なんだろうと思いましたが
今はこの一冊に出会って良かった、と思えます。

なんと言うか打ちづらいのですが
…うん、出会って良かった。
真面目にファンになるかも知れない…

なんとなく詳しい感想は控えますが、この一冊は本当に重かった。
内容的な意味と、ただ個人的に自分にとってという意味での2つの意味で…
ただ自分より98年前に生まれた人に、なんて言うか変な親近感みたいなものを感じたというか
中学の時は「芥川龍之介=ただ単に昔の人、昔式で多分読んでも訳が分からない」しか思っていなかったのに、今以外です。

(とりあえず?死ぬまでに)全部読んでみたい、と思う。

人間失格-太宰治-

人間失格 (1952年) (新潮文庫〈第443〉)

人間失格 (1952年) (新潮文庫〈第443〉)

こころと同じく高校で読む必要があって読んだ一冊。
ただ、「人間失格」は中学の時書店で見かけて「あ、私のことだ。」と当時かなりのネガティブ思考=自虐的で閉鎖的だったので、そう思って買っていたので買ったり借りたりする必要はありませんでした。
なのに買って4年くらいはずっと読まなかったのですが、持っていることは忘れませんでした。持っているだけで「これでいい」って感じで納得しちゃうところがあったんですよね。

でも読み終えて、当時読まなくて良かったと思いました。

ショックだった。

まず太宰治自身のことを、写真を見る限りあんなに心中自殺を図りまくってでも失敗していたから生きていた人ということなどを全く知らなかったので、悩み多き人という印象は受けていたものの、巻末の年譜を読んでびっくりした。
単純だけどびっくりしたという言葉が一番合っていると思います。

でも思ったのが、自分の人生を反映させて書いているような作品は色々な意味ですごいし有名になるということでした。

高校の用紙に感想文を書いたらこっちにあまり打てなくなりました…。

文盲≪アゴタ・クリストフ自伝≫

文盲 アゴタ・クリストフ自伝

文盲 アゴタ・クリストフ自伝

短かった。
でもやっぱりこの人の書くことは一気に読めるなぁと再確認すると同時に悪童日記シリーズと「昨日」を読む限りこの人の書くことはやはり全体的にご自分の体験に基づいていて すごいなあと思いました。だからあんなに魅かれるのかな。
クリストフさんは1935年生まれだから今74歳くらいのはずで、もうご高齢。
でもこの人の作品はこの人が古い人間と言われる年になっても縁起が悪いですがこの人が亡くなってからも読まれ続けるし、若い人のことも惹きつけていくでしょう。

改造版 少年アリス-長野まゆみ-

改造版 少年アリス

改造版 少年アリス

うーん…。
私が小中学生でも多分あんまり魅力は感じなかったと思います。
私にとっては退屈でした。アリスって名前に魅かれただけで(苦笑
ただ、「少年アリス辞典」がついていて登場する知らない植物などを知るのには良かったです。

こころ-夏目漱石-

こゝろ (角川文庫)

こゝろ (角川文庫)

多分夏の100冊で買っておきながら1年以上放置してしまっていたのですが
高校でこれの読書感想を書くところがあって探し出して読んだ一冊。

初めて漱石を読んだのは確か一番読書をしていた(笑)小5の時で、坊ちゃんだったと思うのですが、まあ10歳くらいですし何も良さが分かるはずもなく「名作とか言うけど訳分かんない、全然つまらなかった」という印象で
その次に読んだ「三四郎」も当時全く意味不明と思って
漱石=ちょっと意味不明で面白くない、というイメージが今までなんとなく残ってしまっていました(勿体ない…)。
だからなんとなく買ったもののどうせ理解できるところなんてないだろうなーとずっと放置してあった訳で。。。

ただ、読み始めて結構すぐに魅かれたのであれっと思いました。

8年も経つと同じ著者のものを読んでも違うものですね〜・・いや当たり前ですが。。。

2日で、すごく集中しながら読めました。
むしろ今の私にとってはぐいぐい読める感じで…読んでいる途中に話しかけられたりすると、一瞬意識が空中に浮かぶというか「は??????」状態になるから、かなりいい感じで読めていたみたいです。

珍しいことだから嬉しかったし、大正3年に書かれたものを(ずっと現代向けに読みやすくしてあったとしても)こんなに読みやすく感じるとは思わなかったから、結構変わらないものってあるんだなと。

ただ本自体の感想を打つとなると難しい訳で…
えーと「先生」と「K」はお互いに負の存在だったんだろうなとか、
先生はあんまり自覚していなかったかもしれないけど先生はKさんにとってかなり大きな存在だったのかとか(他にも自殺の理由は沢山あったでしょうが)、
先生とKさんは全然違うように見えて似たもの同士だなとか(と思えばまた間逆的にも見えたりして)、
大正ごろの日本人(特に日本男児)はこんな風(思考傾向)だったんだとか、
明治天皇と乃木大将という人の存在は当時の日本にとってそんなに大きな存在だったのかとか
日本人って独特だな(今は混ざり過ぎてて今を生きる私には客観的に見てよく分かりませんが)、と。簡単に言っちゃえば思いました。

ただ文庫の裏にもありますが、高校で書くものにも「エゴイズムについて書け」とあって、最初からエゴイズムを多少意識して読んでいたのですが
なんというか私の想う「エゴ」とこの場合の「エゴ」がかなり違っていて、私の視野が狭かったとか一般と比べると感じがズレてるとかがあったのかも知れませんが「いつエゴがでてくるんだろう」と最後の方までずっと思っていました。。。
最後の方で、まあ全体的にエゴだと言いたいんだなーということを思って、でもやっぱり私のおもうエゴとこのエゴとは結びつかないんです。

漱石自身が、これはエゴイズムを題材にして書いたものだーとかと言ったんなら信じてそう思いこむようにしますが(「人間の心を捕え得たる」とは書いてもエゴとは書かなかったんじゃ…)
正直コレはエゴというよりも・・・・
それ以前の何かの問題というか…

「先生」の思考自体、思考全体がエゴイズムなのだとしたらそれは先生の人格そのものの否定(エゴイズムに否定的ならですが)だし、それで
「先生」がエゴイストだとしたらまずあんなに罪悪感を覚えて果ては自殺までするのがつじつまが合わないからです。
エゴイストはそんなこと絶対にしない。
自分を殺しては何の利益にもならないからです。苦しすぎてそこから脱却または死による生を意味あるものとするという意味で自殺に意味を持たせることはできるでしょうが、その前にエゴイストは自虐的になんかになれないものだと思います。
自分の利益だけを考えていればいいのなら自分の欠点なんて病的になるまで考える必要はないからです。むしろあの人は他人のことも考えすぎてああなってしまったんです。

・・・でどこがエゴイズムなの???
ん???あれ私がズレてるんですかね???
哲学の方も先生とはなんだかとても微妙にそぐわない気がしますし。

これで全く「エゴイズム」に納得できないとなると、私自身がエゴイストだから何とも思わないんだということになる????

それともエゴイズムは他の点にある?だとしたらそれはどこ?????


…混乱する作品です。

今からちょちょっと感想文を(短いのでいいらしいんで…ほんとはもっと長い方が楽なんですけど…)書いてしまおうと思ったのですが
先生受けが悪い方向のものを書きそうです。

それでもいい(仕方ない)ですけど・・・・

愛の世界-エリザベス・ボウエン-

愛の世界―ボウエン・コレクション

愛の世界―ボウエン・コレクション

読み終えて、この本が2300円もするんじゃなければ買ってもいいんだけどなー、と思った。
どうして2300円も値段をつけるんだろう?あの量で。
もっとボウエンを広めたいと思ったら(せっかくのボウエン・コレクションなんだし)もう少し求めやすい値段にしてくれればいいのに…。

それと表紙がどうしてあんなにシンプルなのか、あまりにシンプルすぎて私は本の内容に適していない気がしました。もしかしたらすごく合っていると思う人もいるんでしょうが…

訳者さんの色がかなり強く、特に登場人物のしゃべりがかなり独特な感じの日本語になっているので他の翻訳者さんの訳で読んだらすごく違う感じがするんだろうなぁ、と言うか実際英語で読んだら(すごく難しそうですけど)一体どんな感じの英語なんだろう…(もしかしたら結構普通かも・・・)と。

それにしても濃いです。
濃過ぎて、理解力が秀でてないと一度読んでもなんとなく「素晴らしい!!!!」とは言えなさそう。私的にはですが

なので時間が経ってからもう一度読んでみた方がいいと思うんですよね…ただ高いからすごく手元に置きづらいんです…。

ただ、他のボウエン・コレクション「エヴァ・トラウト」と「リトル・ガールズ」も借りて読みたいです。

鏡の顔-大沢在昌-

タイトルに魅かれて借りてみたのですが、思っていたよりタイトルに深い意味はなくてちょっとがっかりしました。多分この人の本を購入するようなことは…ないと思います私は。

12の短編で成り立っています。傑作かどうか私には分かりかねるのですがハードボイルドだそうです。

私が魅かれなかった理由の一つには、34年程の著者さんとの歳の差があるでしょうがこの本は09年発行ですし、やはり歳の差とか年代の差はあっても魅かれる本というのは沢山あるので「合わない」だけなのかな、と思いました。
なんというか、ちょっとワンパターンすぎる短編集にも思えたし
男では殺し屋とそれに近いモノと探偵と…女性を表す時に「モデル」というのが多過ぎてつまらないかな。女優さんも一人いたけど。
モデルと一口に言っても色々あるのだからもう少し詳しく(あと一文だけでも)載せてくれないと、いかにも「モデル」というちょっとした肩書すべてで女性としての優位さをすべて語らせようとしているようで不自然でした。個性がないしどのように美しいのかが色あせてくる。

ただごくたまにこういう本を読むのも違っていいのかも知れません。何でもいいですが