蜘蛛の糸・杜子春-芥川龍之介-

蜘蛛の糸・杜子春 (新潮文庫)

蜘蛛の糸・杜子春 (新潮文庫)

読んだ本はコレ↑じゃないのですが、見つからなくてタイトルが一緒だから載せました。

大正7〜12年に書かれた芥川龍之介作品10。

確か中1の時に半無理やり父から買って貰った一冊。
一度は読んでおいた方がいいと言われて勧められたのが、かなり単調な中国人らしいおじさん(←)一人のカバー絵のものだったので
一瞬見てすごく嫌になった覚えがあります。
教科書に出てくるようなつまんないやつかなと。
その時は蜘蛛の糸だけ読みましたが、表紙の割にはいいなあくらいしか。・・・。

でもやっぱり、私はこういう蜘蛛の糸とかより、この前読んだ「河童」などの作品の方がずっと好きです。言ってしまえばかなり病んでいる時の方がずっと好き…という。 。。。。。

ただこの「蜘蛛の糸杜子春」も、カバーの紹介文に印刷してある「少年少女のために書かれた、健康で明るく、人間性豊かな作品集。」は健康で明るいとは全然私は思いませんでした。

健康で明るい芥川龍之介なんて存在し得たんですか?・・・


以下、簡単にそれぞれの感想です。


蜘蛛の糸…ラスト最高。

犬と笛…本当、「河童」から芥川作品を読むと、どれだけ変化していったか分かる気がしました(時期の前後が逆なのですけど)

蜜柑…(「私」の気持ちが)よく分かる気がしました。

魔術…流石。

杜子春…有名なのが良く分かった。傑作

アグニの神…なんとも…。うんいいと思います

ロッコ…「塵労に疲れた彼の前には今でもやはりその時のように、薄暗い藪や坂のある路が、細細と一すじ断続している。・・・」
      驚いた
      天才だ!!!と思った。

仙人…信じる人は救われる?
   夢はいつか叶う?

猿蟹合戦…「さるかにがっせん」を初めて読んだとき、小さい頃の芥川さんは違和感を感じたのでしょうか?それともあとから?
     君たちも大抵蟹なんですよ。・・・・単調な褒め方で申し訳ないですけど、立て続けに天才だ!と思った。